絣のタペストリーのこと
ストール、マット、ブローチなど色々織りますが、制作していて一番楽しく、そして塩梅が難しいと感じるのはタペストリーです。
タペストリーは一般的には下絵に沿って綴れ織りの技法で織り上げていきますが、私はまず経絣の布を織り、その後刺しゅうを施すスタイルで制作しています。今まで制作したものをご紹介します。
川島テキスタイルスクール時代に初めて制作したタペストリーです。
冬の森の、何だか神聖で凍てつく空気を想像しながら制作しました。
立体感を出したいと試行錯誤して、経絣と刺しゅうの組み合わせを試した最初の作品です。
次は、秋です。ある時スウェーデンで友人のお父さんが、私達を彼のお気に入りの森に案内してくれました。
夕焼けがきらきらと森に差し込み、森全体が黄金色に輝いていました。その情景を表現しました。
最後は、ご注文頂きお納めしたタペストリーです。
この作品は季節ではなく、経絣でカラフルな森を表現して織り上げました。
制作工程のご紹介。
「絣」は完成イメージに沿って、防染加工を施した経・緯糸を染色し、織り上げることで模様を表現する技法ですが、私は「経糸をイメージに沿って染め分ける」という意味で経絣タペストリーという言葉を使っています。
今後も、まだまだ色々タペストリーを織っていきたいです。
この作品達に関しては、色味をピタリと出しやすい科学染料で染色していましたが、今後は天然染色での制作にも挑戦したいです。スウェーデンの植物からどんな色が出てくるか楽しみです。
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